いつまでも子供の人生に関わっていていいのだろうか?

2020/07/14
少し前の統計になりますが「日経消費マイニング」のアンケート調査によると団塊世代の男性が「定年後に気になること」という問いに対して「生活費」と答えた人が69.5%に達しているという結果が出ています。さらに年収1,000万円以上の高所得者層でも60%が生活費のことを心配しているという結果が出ています。年収がある程度あっても半分以上の人が老後の生活費を心配しているわけです。

なお、同調査では「退職後、引退後に必要としている貯蓄額」も聞いていますが、その平均額は実に3,231万円です。80代後半まで生き続ける長寿国ニッポンならではの悩みですが、退職金なども含めて3,200万円超の貯蓄が必要だと皆考えているわけです。

ちなみに団塊世代特有の悩みともいえるのが「同居している子供」の存在です。同居している子供を抱えている人は57.9%に達しており、このうちいわゆる契約・派遣社員、パート・アルバイト、ニートなど正社員として採用されていない子供が45.9%にも達しています。団塊世代の6割の家庭で子供が同居しており、その半分はフリーターやニートということになるわけです。

団塊世代の子供というのは団塊ジュニアと呼ばれる現在35歳~40歳前後の世代ですが「40代シングル族」と呼ばれる40代前後の独身者が多いのです。マスコミでは「アラフォー」などといってもてはやしていますが、要するに未だに親に心配をかけている世代であることに変わりはありません。退職金が入ったからと言ってお気軽に浪費できるわけではないようです。

もっとも夫婦二人で12万円の国民年金だけで暮らす世帯と比較すれば、まだまだ余裕があるかもしれません。厚生年金の標準額=夫婦で23万円程度の月収があればUターンやIターン、海外でのロングステイもある程度余裕を持って実行できる可能性はあります。発想を変えれば様々な可能性が出てきます。

しかし、実はこうした子供に対する考え方こそ発想の転換が必要なのかもしれません。「リバースモーゲージ(住宅担保型老後資金ローン)」などを使って、少なくとも自分たちが形成してきた財産は使い切る覚悟でより豊かな老後を過ごしたいもの。そのためには、いつまでも子供の人生に関わっていてはチャンスを失ってしまいます。