前払い料金よりも安全と自由を優先しましょう

2020/05/25
まとめて払うと大抵の物は安く済むようになっています。例えば、国民年金の保険料や電車の回数券、生命保険の保険料も年払いにすれば保険料が少し安く設定されています。でも、前払いのまとめ払いをしていいのは次の条件を満たす場合だけです。

1.必ず払わなければならない支払いであること
2.手元に使わないですむお金があること
3.支払い先の破綻がありえないこと

この3つを満たさなければ、基本的にまとめ払いはやらないことを習慣にしましょう。特に3番目の支払い先は国などのように99%破綻が無いといえるところに限ります。それ以外はまとめ払いをしないことです。

まとめ払いは払い込む相手の得られるメリットの方がずっと大きいのです。まとめて払ってくれれば、その間、運転資金を銀行から借りずに済みます。まとめて払ってくれれば、その間集金のコストがカットできます。

一方、こちら側の得られるメリットは割引される金額のみです。5万円安くなったと喜んでいたら、支払い先が倒産してもお金は戻ってきませんし、受けられるはずだったサービスや品物も、もちろん受け取ることができません。

突然倒産した英会話学校NOVA、数十回分の受講料をまとめて前払いして数十万円の被害を受けた人も少なくなかったようです。倒産する会社ばかりではありませんが、始めてみたら、酷いサービスや品質だったとか、アフターフォローが全く無かったり、ということもあ
ります。

まとめて支払ってしまうと中途解約できたとしても戻ってくるお金は大幅に減額されます。まとめ払いは、払い込み先の方はメリット大、リスクゼロ、払う私たちはの方はメリット小、リスク大なのです。

まとめて支払ってはいけないもうひとつの理由は、自分自身のことです。まとめて買った回数券を紛失してしまった場合、未使用分は捨てたことになるケースが殆どです。また、まとめ払いした時と自分の状況が変わってしまうということもよくあります。

私はシェイプアップを自分に誓い、近所の公共のスポーツセンターで11回分の回数券を購入しました。1回分の300円がお得になること、回数券があれは財布を持たずに行ける、お金を払ってしまえば勿体無いと思うから続くだろうという考えが浮かび回数券を購入したのです。

でも、行く時間が中々取れませんでした。結局、回数券を消化したのは1年間の有効期間の中で3回のみでした。公共の施設ですから2,400円を寄付できてよかったのですが、その都度購入すればよかったと後悔して自分の意志の弱さを嘆きました。

私の場合は数千円の規模で、しかも自分の都合でしたが、何十万円を失った人達はどんな気持ちだったでしょうか。前払いでまとめ払いはしないのを習慣にしましょう。

その業者が明日存続しているかどうかはわかりません。払う自分の方も明日そのサービスや商品が欲しいと思っているかは分かりません。

少々割高になっても、その都度払う方が結局はお金の有効な使い方なのです。そして、自分自身も明日は別の物を選択できるという自由を持っていられます。