「連帯保証人」で自分の人生を台無しにするな!

2020/05/25
連帯保証人にだけはなってはいけないと親に言われたことはないでしょうか。書類の「連帯保証人」の欄に署名、捺印をすると、その人は連帯保証人として扱われ、ある日突然、借金の返済を迫られることがあります。

この制度、皆さんが想像している以上に怖い制度です。通常は借りた本人から返済してもらうのが当たり前だと思うでしょうが、連帯保証人になると、

1.「本人から返済してもらってください」という言い分か通らない

2.借金した人が返済にあてられる資産を持っていても連帯保証人の方に返済を迫ることができる

3.何人かの連帯保証人がいても1人に全額返済を迫ることができる

自己破産に追い込まれた人の中には連帯保証人として借金を背負わされた人も少なくありません。借りた本人のために、いわば人質になるような制度で、日本にしかない悪評高い制度です。

私の実家でも親戚に連帯保証人になってほしいと泣きつかれ、土地を失いました。母はよほど悔しかったのか、何十年経っても繰り返し私に話します。そして連帯保証人の怖さを頭に叩き込まれました。

奨学金を借りる時や賃貸契約を結ぶ時などにも連帯保証人を立てないと契約ができないケースも少なくありません。親や親戚に連帯保証人になってもらったというケースは多いでしょう。あなたを信頼して連帯保証人になってくれたわけです。

これからの長い人生、逆に自分が連帯保証人を頼まれることがあるかもしれません。皆さんも「絶対に迷惑はかけないから」と親族や恩のある人に頭を下げられ、断ることができない状況になってしまうことがあるかもしれません。

あるいは親が連帯保証人になっていて、その親が亡くなった時に自分が「連帯保証人」をも相続してしまうことがあります。連帯保証人になると、その人の借金の全額を背負うことになると考えなくてはいけません。

「借金額はいくらなのか?」「返済の見通しはあるのか?」の説明を求めましょう。連帯保証人を引き受けるかどうか、あるいは親の連帯保証と一緒に遺産を相続するかどうか、冷静に考えた上で結論を出すようにしましょう。

「親が連帯保証で破産しそうになったので」と架空話を出して断る理由にしているという人もいます。会社経営や個人事業をしている人は、連帯保証人がどういうものなのかをよく理解しているでしょう。

注意しなければならないのは会社員の人達です。特に皆さんのような若い人達です。日常生活では自分がお金を借りなければならない場面は少ないために、連帯保証人についての知識を持つ機会がありません。

そのため、簡単に連帯保証人を引き受けてしまうことがありますので注意しましょう。似た言葉に「連帯債務」があります。これは主に住宅ローンを組む時に関わってきます。

例えば、夫だけの牧入では十分な返済能力がないと金融機関が考えた時に妻が連帯債務者となることでローンが組めることがあります。

この場合、夫と妻、2人でローンを返済していくわけですが、離婚した時にしばしば問題が起きます。別れても連帯債務が外せないため、元の妻に返済を迫ることができるのです。

2人で住んでいたマンションを売却すれば、もちろん連帯債務も消えますが、売却してもローンが残るようなマイナス資産の場合は、どちらがマンションを持つか、あるいはローンをどうするか、この点でも揉めがちです。

連帯保証人から話が少しそれてしまいましたが、力を込めて言いたかったことは連帯保証人は安易に引き受けてはいけないということです。